空中階の困りごとから生まれた、多機能拠点のかたち
新公民館 VOLの始まりは、2024年7月の「宮崎街中リノベ会議」。
市街地のビルオーナーから寄せられた、「上の階が空いたままで困っていて…」という相談がきっかけでした。
再開発が進み、まちに人の流れが戻りつつある一方で、地上階に比べて2階以上の“空中階”は活用が難しく、長い間空きフロアとして取り残されてきた現状がありました。
この「空中階」という空間資源に、新たな価値を見出せないか。
そんな問いから、プロジェクトは動き出しました。
街中の空中階から生まれた『新公民館』構想
美想空間はこれまで、奈良県大和郡山市や大阪市港区などで、空き家や空きビルを再生し、まちに変化を生み出す取り組みを行ってきました。しかし今回は、「街中の空きビル、空中階」という、より限定的でニッチな課題が出発点でした。
この課題をどう活かすかを模索する中で、建築メンバーの間から自然に「新公民館」という言葉が生まれ、次第にこの施設のコンセプトとして定着していきました。
昭和の時代、地域の誰もが使えた“公民館”のように、特定の誰かだけの場ではなく、多様な人が交わる空間。
ただし、それを行政主導ではなく民間の手でつくる。
公共でも、商業でも、個人の拠点でもない、新しい“中間の領域”に開かれた拠点として、『新公民館』は誕生しました。
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名前に込めた思い
「新公民館 VOL(ボリューム)」という名前には、物理的な空間の大きさを意味するだけでなく、”この場所が担う大切な役割”への想いが込められています。
『発信する場所』として
多くの”声”を発信し、新たな価値を生み出す場でありたい!という想い。
『クリエイティブを繋げる場所』として
さまざまなバックグラウンドを持つ人々が交わり、共鳴し合う場所になってほしい!という願い。
『地域の声をチューニングする場所』として
その声をより多くの人々に届ける場になろうという決意。
地上階から見えにくく、まちの中で取り残されがちなビルの上層階に光を当て、新たな活動の場として社会に開く─
こういった様々な想いをのせて、『新公民館 VOL(ボリューム)』と名付けました。
まちに仕掛ける、次の一手へ
新公民館 VOLは、「空きビルの上の階」という、これまで見過ごされてきた場所を、まちの新しい動きが生まれる拠点として開いていくプロジェクトです。
そこに集まる人と人、想いと行動が交差し、いま少しずつ新しい場として形になってきました。
新公民館 VOLは、空きビルの空中階を活かし、リノベーションの会社がまちに仕掛ける「実験場」であり、「仕掛けの箱」です。
ここで何が始まり、どんな未来が生まれていくのか。それは、これからこの場所に関わる人たちの手によってつくられていきます。
もしこの取り組みに何かを感じていただけたなら、ぜひ一度、新公民館 VOLに足を運んでみてください。
新しい出会いと物語を、新公民館 VOLでお待ちしています。