官民が集う、宮崎のまちづくりを考える場に
リノベーション協議会 宮崎支部主催による「まちづくりファンドセミナー」を開催しました。
リノベーション協議会 宮崎支部では、古い建物の活用が求められる一方で、情報や熱量が届きにくいという現状を踏まえ、宮崎ならではの課題と向き合い、自分たちの手で未来をつくっていく場づくり を大切にしています。
今回のセミナーも、その想いを共有する機会として開催されました。
当日は、地元金融機関、行政関係者、空きビルオーナーの皆さまが集まり、地域づくりに関する資金の仕組みや、宮崎のまちのこれからをともに考える時間となりました。
まちづくりの現場で、資金がどのように動き、どのような仕組みで支援が行われているのか。
本セミナーでは、民間都市開発推進機構(MINTO機構)まちづくり支援部 プロジェクト推進役の廣瀬哲也氏より、その仕組みや全国での事例についてご紹介いただきました。
セミナー概要
宮崎市の中心市街地・将来ビジョンについて
宮崎市からは、中心市街地の現状、高千穂通の再整備計画、そして“まちなか将来ビジョン”について説明がありました。
市が目指す将来像は、「楽しみがあふれ、多様な人材や企業が交流し、活動する“ひらかれたまち”」。
中心市街地が抱える課題や今後のビジョンが共有されることで、官民が同じ方向を見据える大切な機会となりました。
ファンドの仕組みと運用事例
民間都市開発推進機構(MINTO機構)より、まちづくりファンドの基本的な仕組みや、全国での運用事例について分かりやすく解説いただきました。資金の流れやファンド組成のイメージを共有することで、地域再生の具体的な可能性を考えるきっかけとなりました。
また、廣瀬氏がこれまで関わってきた全国の事例も紹介され、その一つ一つに「地域をどう元気にするか」という現場への真摯な思いが込められていることが伝わってきました。
廣瀬氏の語る一つひとつの事例には、地域に向き合う確かな視点が込められており、その熱量が場を包んでいました。
特に、群馬県前橋市での取り組みをまとめた映像紹介では、街の変化とそこに関わる人々の姿が丁寧に描かれており、会場は自然と引き込まれるムードが生まれていました。
単なる制度説明にとどまらず、まちづくりの裏側にある想いや動きを共有する時間となり、ファンドの意義をより立体的に捉えられる内容となりました。
情報共有で見えてきた、地域のこれから
行政からは複数の部署が参加され、それぞれの立場から中心市街地の現状や課題が共有されました。
部署を横断した意見交換が生まれたことは、市内での連携の可能性を感じる貴重な瞬間でした。
また、参加した金融機関関係者の皆さまが名刺交換を行い、金融機関同士の関係づくりが進む様子も印象的。
こうした官民の関係者が自然に交流する場が生まれたことは、新公民館VOLが担う役割が少しずつ形になりつつあるようにも感じられます。
今後は、宮崎市におけるまちづくりファンドの組成に向けた検討も進んでいく予定で、地域の再生や空間活用に向けた新たな展開が期待されます。