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空き家は、引き継がれていく 空き家・空きビル活用セミナー|開催レポート

空き家は、引き継がれていく 空き家・空きビル活用セミナー|開催レポート

あの建物を“むいてみる”と、おもしろい

新公民館VOLにて、宮崎市都市戦略課主催
「空き家は、引き継がれていく─ 建築を読み解き、移住・定住につながる空き家・空きビル活用セミナー」を開催しました。

本セミナーは、移住・定住につながるまちづくりをテーマに、地域に点在する空き家や空きビルをどのように読み解き、活用していくことができるのかを考える取り組みとして企画されたものです。

当日は、株式会社SPEACパートナーであり近畿大学教授の宮部浩幸氏をゲストにお迎えし、
ファシリテーターは宮崎市の地域活性化起業人として活動する株式会社美想空間の鯛島康雄が務めました。

建物を“むいてみる”という感覚

宮部先生のお話の中で、とても印象に残ったのが
建物を“むいてみる”という感覚です。

建物の中には、
人の記憶やまちの歴史、
過去の人たちの工夫や願いが折り重なるように残っています。

それらを丁寧に読み解いていくと、
「これはおもしろい」という発見が見えてくる。

そしてその発見を、次の人が受け取り、また読み取り、さらに次へとつないでいく。

宮部先生は、そうした建築との関わり方を「リレーとしての建築」と表現されていました。

リノベーションとは、ただ新しくつくり変えることではなく、
これまでの時間を引き継ぎながら次の時間へと手渡していく営みでもあるのです。

まちを“名探偵”のように観察してみる

建築を読み解くヒントは、意外と身近なところにあります。

例えば、
床の汚れ方、
コンクリートの厚さ、
昔の手すりの模様。

何気ない建物の中にも、
その場所で積み重なってきた時間や物語が残っています。

まちを名探偵のように観察してみる
そんな建築の楽しみ方も教えてもらった時間でした。

東京・兜町で感じた“新しい人の流れ”

私自身、宮部先生の著書を手に東京・兜町を訪れたことがあります。

かつて証券の街として知られた兜町は、取引のオンライン化など、時代の変化とともに人の流れが減少していきました。
しかし現在は、既存の建物を活かしたリノベーションを通して、新しい人の流れが生まれつつあります。

東京・兜町の街並み。個性的な建物が並び、金融街としての歴史の痕跡が今も街の表情に残っている。

祝日にも関わらず、
若い人たちがランチを楽しんでいたり、
家族連れの姿があったり、
お昼を過ぎてもお店は満席。

昔の兜町を知っているわけではありませんが、
この街に新しい人の流れが生まれていることは確かに感じることができました。

建物を読み解き、その個性を活かしながら次の使い手へと引き継いでいくこと。
その積み重ねが、街の新しい時間を生み出しているのだと実感しました。

宮崎のまちなかの“愛すべきポイント”とは?

トーク後の質疑では、
「宮崎のまちなかで、愛すべきポイントってどこなんだろう?」
という問いが投げかけられました。
参加者のみなさんと一緒に、宮崎のまちを思い浮かべながら考える時間に。

建物や街の歴史を読み解き、
個性を守りながら次の使い手へとリレーしていくこと。

それが、街の新しい時間を生み、
人の活動や移住につながる可能性も生まれていくのかもしれません。

宮崎市街中にはどんな時間が、個性が、あるのだろう。

建築という視点から、まちを見つめ直す

これからも、建築という視点から
宮崎の課題に向き合う時間を共有していけたらと思っています。

それは、セミナーを増やすことが目的ではありません。

建物や街を「少し違う視点」で見る人が増えること。
そんな小さな変化が、自分たちの住む街を見つめ直すきっかけになるのではないかと思います。

宮部先生、そしてご参加いただいた皆さま、素敵な時間をありがとうございました!